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TPP知財条項への緊急声明案の公開と、ご意見・賛同の呼びかけ

国内大手メディアや海外メディアにおいても、TPP(環太平洋経済連携協定)の知的財産条項案の妥結が近い旨の報道が続いています。そこでは、あるいは「著作権保護期間の大幅延長」や「非親告罪化」のように、当フォーラムが懸念を表明して来た日本の実情にあわない条項において政府が譲歩の方針と伝えられ、あるいは法定賠償金のように重大な影響がありながら動向が全く不明な条項もあります。

当フォーラムでは、日本の豊かな文化や知へのアクセスを守る上で、今が最も重要なタイミングであると考え緊急声明案を公開し、内容へのご意見を募ると共に、広く関係諸団体に賛同を呼びかけます。
多様な分野からの沢山のご賛同をありがとうございました!今後も募集を続け、頂いたご賛同は3月13日(金)の記者発表、更にその後のリリースに反映させて頂きます。ご質問は、こちらのアドレス(contact@thinktppip.jp)までお寄せください。

※ TPP知財条項の内容、経緯と展望については、当フォーラムのこちらの記事や福井健策弁護士による下記コラムを参照。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/fukui/20150213_688136.html

※ なお、本声明はTPP自体への賛否を述べるものではありません。声明案中の脚注は公開時には削除する予定です。

2015.3.26追記
緊急声明の正式版(2015年3月13日に西村内閣府副大臣に提出)を公開いたしました。
下記URLよりご確認ください。
http://thinktppip.jp/?page_id=713

【連絡用フォーム】
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【緊急声明案】

TPP著作権条項に関する緊急声明

TPP(環太平洋経済連携協定)では、著作権など知的財産権を巡る条項が各国の最も深刻な対立点とされ [1]、これまで国内外の多くの団体や有識者達が、交渉の透明化を求め、(特に情報社会の進展に逆行する内容での)米国提案に懸念を表明してきた [2]

[1] http://www.kottolaw.com/column/000438.html(流出米国提案抄訳)
[2] 数例を挙げれば:
日本放送協会意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken/115.pdf
日本弁護士連合会意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken/112.pdf
日本弁理士会意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken/113.pdf
日本劇作家協会ほかアピール http://www.jpwa.org/main/statement/appeal20130717
日本写真著作権協会意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken4/10.pdf
コンピュータソフトウェア著作権協会意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken/007.pdf
新経済連盟意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken6/02.pdf
米国知財法学者らからオバマ大統領への公開書簡 http://thinktppip.jp/?p=246
TPPによる著作権保護期間の延長に反対する国際共同声明 http://thinktppip.jp/?p=383
世界各国の有力NPO等による、最終局面を迎えるTPP交渉での透明性を求める公開書簡 http://thinktppip.jp/?p=476
当フォーラム提言 http://thinktppip.jp/?p=1

しかしながら、交渉終盤とされる現在、協議の密室性はむしろ高まっており、政府説明会はほとんど「説明できないことの説明」に終始している [3]。国内有数のメディアは繰り返し、「著作権保護期間の大幅延長」や「著作権侵害などの非親告罪化」について日本政府は米国要求に対して譲歩する方向と報じ [4]、政府がそのたびにこれを否定する事態が続いている。こうした状況は虚偽・不正確な情報が飛び交う事態を招いており、その結果国民の間では混乱が広がっている。

[3] http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0LK0L120150216
[4] http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF02H03_S5A200C1EAF000/ ほか

私たちは、わが国の文化・社会にとって重要な決定が国民不在の密室の中でおこなわれ、21分野一体のため事実上拒否できない妥結案だけが国民に提示される事態を、深く憂慮する。

著作権の保護期間延長の提案は、無用な長期化が権利者不明の「孤児著作物」を激増させ、デジタル化の振興を害したとして、欧米でさえ期間短縮提案が議論されている現状に [5]、一見して逆行している。期間の超長期化がはほとんどの遺族には収入増さえもたらさず、権利処理困難により死蔵作品を増やし、古い作品に基づく新たな創造を困難にすることは、既に国内外の実証研究から明らかである [6]。さらに日本について言えば、それは年間6200億円にも上る著作権収支の対外赤字を固定化し拡大させる可能性が高く [7]、知財立国に反すると指摘される。

[5] http://www.kottolaw.com/column/000527.html
[6] 田中辰雄・林紘一郎編『著作権保護期間 -延長は文化を振興するか?』(勁草書房)、http://thinkcopyright.org/tanji-book.pdf ほか
[7] http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/fukui/20130618_603718.html ほか

被害者の告訴なき起訴・処罰を可能にする非親告罪化は、厳密にいえば違法だが権利者に実害がない限り強いて問題視はされていない多くの利用(tolerated use [8])を、萎縮させる恐れがある。それは、クールジャパンを裾野で支えるパロディなどの二次創作 [9]、様々なネット新ビジネス、企業内での研究開発や教育現場・福祉現場、デジタルアーカイブ、復刻出版や復刻上映など社会の広範な領域での非悪質な利用において、権利者ではなく警察・検察に手続きの主導権が移り、第三者通報などにより摘発・起訴がされる可能性を高めるからである。

[8] http://heinonline.org/HOL/LandingPage?handle=hein.journals/cjla31&div=28&id=&page= ほか参照
[9] http://kenakamatsu.tumblr.com/post/44592778197/tpp
http://www.jpwa.org/main/genronhyogen01 ほか

その他、「コピーライトトロール」による企業・個人への高額請求を含む、米国での知財訴訟の増大と賠償金および訴訟費用の高騰を招いた主因とされる「法定賠償金」の導入など、様々な条項について交渉の現状は全く明かされていない。

これらの多くの条項は、過去に日本では異論が強く、十分な議論を経た上でわが国の現状には合わないなどとして導入が見送られた経緯がある [10]。日本は、米国で新ビジネスやアーカイブ・パロディ表現の原動力とされる、「フェアユース」のような柔軟な著作権の一般的例外規定を持たない。また、弁護士主導・訴訟解決型とも言える米国型の各種ビジネスとは、依然大きく異なるエコシステムを持つ [11]。米国型のルールのうち相手国に都合の良い部分だけが急速に導入されれば、経済・文化における日本の活力がそがれかねない。

[10] http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/hogo/07/pdf/shiryo_02.pdf
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/070209.pdf
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/07071010/003.htm ほか
[11] 例えば、弁護士総数は米国が125万人超に対して日本は33000人超(いずれも2013年)。人口当たりの弁護士数では米国の15分の1に過ぎない。特許訴訟件数は、米国5189件に対して日本187件(2012年)。http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/zaisanken/2013_12.pdf ほか

仮に、日本にも導入すべきと映る個別の条項があるとしても、条約は国内法に優先する。多国間の多角的貿易協定の一部としてそうした条項が義務付けられてしまえば、数年後に社会の実情に応じて見直そうとしても、もはや国会すら法令を変更することはできない。変化の速い情報ルールの分野でそうした拘束を受ければ、わが国の競争力や豊かな文化を減殺する恐れが強い。それは、コンテンツの流通促進を重視する内閣「知的財産推進計画」や自民党「知的財産戦略調査会提言」の方向性にも反し [12]、次世代への大きな負の遺産となる。

[12] 知的財産推進計画2014 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku2014.pdf、自民党知的財産戦略調査会 コンテンツ小委員会7の提言 https://www.jimin.jp/news/policy/pdf/pdf178_1.pdf

国際交渉は、一見趨勢の決まったように見える最終段階こそが最も重要である。国会承認の段階で混乱が生じ政府関係者の努力が無駄にならないためにも、各国の利害対立の大きい知財条項を妥結案から除外して海賊版対策のような異論の少ない分野に絞り、さらに条項案を含む十分な情報公開を修正交渉が可能な段階におこなうことを、強く求める。

※なお、本声明はTPP自体への賛否を述べるものではない。

TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム

[クリエイティブ・コモンズ・ジャパン http://creativecommons.jp/
thinkC(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム) http://thinkcopyright.org/
MIAU(一般社団法人インターネットユーザー協会) http://miau.jp/]

「TPP知財条項への緊急声明案」にご賛同ください!

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世界各国の有力NPO等による、最終局面を迎えるTPP交渉での透明性を求める公開書簡を緊急邦訳

2014年12月11日、Creative Commons、国際消費者機構(CI)、オクスファム、電子フロンティア財団(EFF)など、世界10ヶ国の49の有力NPO及び著名な研究者が連名にて、TPP各国担当大臣及び交渉代表に宛てて、最終局面にあるとされるTPP交渉の透明性を求める公開書簡を公開しました。書簡はワシントンDCにて複数の交渉関係者に提出されます。
thinkTPPIPを構成するMIAU、クリエイティブコモンズ・ジャパン、thinkCの3団体は公開書簡に連名で加わると共に、TPP協議が最終段階とされるタイミングの重要性に鑑み、本公開書簡を緊急で邦訳し公開いたします。

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TPPによる著作権保護期間の延長に反対する国際共同声明の和訳公開と声明への参加の呼び掛け

TPP交渉における最も対立の激しい分野の一つといわれる知的財産。中でも、著作権の保護期間延長をめぐっては、昨年11月のWikileaksによる流出文書では、交渉国の賛否は真っ二つに割れており、日本も反対に回っていました。しかし、去る5月には、日本も延長に合意ないし同調しているとの報道が主要紙で相次ぎ(その後政府により否定)、直近の報道では、日本は保護期間延長と非親告罪化には反対しているものの、交渉国の中で孤立しつつあり、最終的に妥協を迫られる可能性が高いと報じられています。これら2制度は、まさに導入されるか否かの瀬戸際にあります。

しかし、ここに来てまた、別の流れも生まれつつあります。

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シンガポールで開催されるTPP協定交渉会場でプレスカンファレンスを開催します

※プレスカンファレンスの生中継が決定しました:http://live.nicovideo.jp/watch/lv161904089


TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム(thinkTPPIP)は2013年12月7日からシンガポールで開催されるTPP協定交渉会合にメンバーである福井健策(弁護士、著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(thinkC))と香月啓佑(一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)事務局長。渡航支援:本の未来基金)を派遣し、交渉会場のGrand Copthorne Waterfront Hotelでプレスカンファレンスを開催します。

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米国知財法学者らからオバマ大統領への公開書簡の全訳掲載

ウィキリークスによるTPP知財条文の8月時点案の流出で世界が揺れる中、去る11月14日、米国で80名を超える知財分野のロースクール教授が連名にて、オバマ大統領にTPP知財条項の即時全文公開と、完全にオープンな交渉を求める公開書簡を送付しました(原文)。

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富田倫生さんの追悼シンポジウム「青空文庫の夢:著作権と文化の未来」と「本の未来基金」創設のお知らせ

去る2013年8月16日、「青空文庫」呼びかけ人の富田倫生さんが亡くなられました。
日本を代表するテキスト・アーカイブである青空文庫に長年携わり、著作権保護期間延長問題についても積極的に意見を表明してきた富田さんの活動を振り返るべく、下記シンポジウムが開催されます。

富田さんには、2013年6月29日の当フォーラムにもご登壇頂きました。
シンポジウム終了後には富田さんのお別れ会が催されますので、是非ご参加ください。

URL:http://www.voyager.co.jp/aozora/

*併せて、上記イベントの運営と青空文庫の活動等を将来にわたって支援する
「本の未来基金」が創設されます。
URL:http://www.voyager.co.jp/aozora/#bokin
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