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thinkTPPIP:文化審議会著作権分科会 基本・法制問題小委員会での意見発表(2015年11月)

2015年11月4日、文化審議会著作権分科会 基本・法制問題小委員会での意見発表に対して、thinkTPPIPとして、下記の通り意見を提出し、発表しました。

TPP著作権条項についての意見

2015年11月4日
thinkTPPIP(TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム)

「1.保護期間の延長」について

著作権保護期間の死後70年ほかへの延長については、①年8000億円超(2014年、日銀) [1] 、対米の小説・音楽・映画等分野だけで年約1000億円(同年、米商務省) [2] に及ぶ著作権使用料の巨額の対外赤字を固定し拡大させる可能性が高く、その支払の負担は民間事業者に帰せられ、②大多数の遺族の収入増加にはつながらず [3] 、③過去の作品の権利処理を困難とし権利者不明の「孤児著作物」を増大させ、作品死蔵のリスクを高めるなど、メリットがなく国内でも批判が強い。

また、④当の米国でも議会著作権局長が未登録作品を死後50年などに期間短縮することを提案するなど [4] 、無用な長期化への批判が高まる国際情勢に一見して反しており、我が国の情報立国・知財立国にとって極めて問題が多い。更に、⑤期間統一論は当の米国が発行時起算など全く異なる法制度を維持している点で説得力がなく [5] 、⑥戦時加算の解消は上記に比してわずかなメリットでしかない上、各国からその確約なども取られていない。

以上から、万一保護期間を延長する場合には、現在の実名登録(75条)や創作年月日登録制度(76条の2)を改正して全ての著作物を著作権登録の対象とし、死後50年ないし公表後50年の経過以前に登録がされることを条件に、作品を延長保護する制度を提案する。

上記米国など現在の国際的な議論の動向にも沿い、こうすることで、作品が市場で活用されている等の理由で長期の保護を求める権利者には保護を与えつつ、相続人などが権利存続に関心がない大多数の作品については孤児著作物化を防ぎ死蔵や散逸のリスクを減少させることができる。(万一、海外作品について上記が条約上困難な場合には、国内作品についてだけは実施する。)

「2.非親告罪化」について

非親告罪化については、政府による幾つかのセーフガード文言の挿入を評価する。ただし、①そもそも権利者が告訴不要と判断するものを起訴処罰する必要性・正当性が疑問であるうえ、②コミケ同人誌に代表される二次創作、ゲーム実況動画・「歌ってみた、踊ってみた」・コスプレなどに代表される各種ユーザー発信、ビジネス・研究・福祉分野での軽微利用など、これまでは権利者も問題視せずにグレー領域的に行えて来た多くの利用(寛容的利用)を萎縮させ、我が国の文化・経済の活力を奪いかねないとして、国民からの批判が極めて強く、権利者団体からもほとんど要望はない状態であり、導入の必要性自体が疑問である。

以上から、①条約の文言(piracy [6] )に忠実に目的を海賊的利用対策に絞るべく、非親告罪化の対象を複製権侵害に限定し、かつ、②単に「複製」だと二次創作も一部対象化される恐れがあるため、出版権と同様に『原作のまま』複製する行為のみに対象を限定 [7] 、かつ、③現在のTPP条文案と同様の定義 [8] による『商業的規模』の侵害であって、原著作物の市場での収益性に重大な影響がある場合のみに対象を限定することを、提案する。これにより、当局はそのエネルギーを悪質な海賊版ビジネスやこれに準ずるものの摘発に集中させることができ、かつ、社会の各種活動の萎縮は防止でき、もって我が国の文化・経済の強みを維持できることが期待される。

「5.法定の損害賠償・追加的な損害賠償に係る制度」について

いわゆる法定損害賠償・追加的損害賠償の制度は、権利者による泣き寝入りを減少させ、悪質な侵害の予防を期待できるメリットもある。他方、特に米国型の訴訟文化の急速な導入は、賠償金の高額化と濫訴を招き、個人や企業活動の過度の自粛から文化・経済面での強みを減殺しかねない。

この点、当の米国では、原則として侵害前に登録された作品のみが法定賠償金や弁護士費用の請求対象となる [9] 。また、韓国は米韓FTAでTPPと同様の「pre-established damages」の導入を約束しているが [10] 、国内立法においては、侵害行為前に登録された作品のみを法定損害賠償の対象としている [11]

上記を踏まえて、以下を提案する。

  1. TPPの要求は「pre-established damages」であり [12] 、「statutory damages」より広く解釈できるため、日本の現行法114条1項ないし3項はこれにあたり、現行法改正は不要という政府判断は可能と考える。特に、実態との乖離が指摘される弁護士費用の賠償を、対象に差止訴訟も含め、かつ合理的な実際の弁護士費用額に近づけるよう運用を改善する場合、悪質な侵害抑止という条約の要請にもかない、上記の説得力は高まる。
  2. あくまで法定損害賠償等の制度を導入する場合、米国・韓国法などに倣い、現在の実名登録や創作年月日登録制度を改正して全ての作品を登録対象とし、登録後に侵害を行った場合だけを対象とする。
  3. その際には、侵害抑止に必要な程度の上限額を定め、特に1作品あたりだけでなく、総額の上限も定める(シンガポール、マレーシア法参照 [13] )と共に、行為の悪質性、警告後の侵害継続などの考慮要素を明記して、賠償金の適用対象を明確化する(追加的賠償を含め、制定例多数 [14] )。

立法時期・その他の国内立法等について

以上のほか、TPP知財条項には我が国の情報政策・文化経済に将来にわたって影響を与える条項が少なからず含まれており、早期の全面情報開示とオープンな議論に基づく慎重な国内法対応が望まれる。前のめりな国内法先行などは論外であり、あくまでTPP発効以後に最新の国際情勢を踏まえた柔軟な立法が必要である。また、その際には、フェアユース規定の導入、前述した作品登録制を含む権利情報の集約と公開、「孤児著作物」利用制度の更なる改善など、作品の流通と活用を促進しつつ創作者に正当な利益の還元をはかれる「著作権の日本モデル」の導入を積極的にはかるよう、要望する。

以上

[3] 田中辰雄・林紘一郎編『著作権保護期間 -延長は文化を振興するか?』(勁草書房、2008年)ほか

[5] 米国著作権法301条〜304条等参照

[6] Wikileaks10/9リーク条文 QQ.H.7.1項。同条文は「piracy」という用語を刑事罰の文脈で同項関連でしか利用しておらず、他の箇所における「infringement」とは明確に区別している。

[7] 日本著作権法80条1項参照

[8] 政府配布資料参照

[11] 韓国著作権法125条の2・3項。「法定損害賠償制度の導入(第125条の2):侵害された各々の著作物ごとに1千万ウォン(営利目的で故意に権利を侵害した場合は5千万ウォン)以下の範囲で相当な金額の賠償。ただし法定損害賠償を選択的に請求できるのは事実審弁論終結時まで(同1項)。また、法定損害賠償請求は、侵害行為の前に著作物を登録した場合にのみ可能(同3項)」(張睿暎東京都市大学准教授による2012年5月23日付文化審議会著作権分科会国際問題小委員会報告資料より)http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/kokusai/h24_01/pdf/siryou4_1.pdf

[12] Wikileaks10/9リーク条文 QQ.H.4.7項

[14] 例えば、オーストラリア著作権法115条4項 http://www.cric.or.jp/db/world/australia/australia_h5.html#115 、ニュージーランド著作権法121条(2)項 http://www.legislation.govt.nz/act/public/1994/0143/latest/whole.html#DLM346288 、前掲シンガポール著作権法119条5項、ブルネイ著作権法(Emergency (Copyright) Order)100条2項 http://www.wipo.int/edocs/lexdocs/laws/en/bn/bn002en.pdf 、前掲マレーシア著作権法37条8項、英国著作権法97条2項 http://www.cric.or.jp/db/world/england/england_c6.html#16_97 等参照

TPP協定交渉の大筋合意に関する説明会の開催について(10月20日開催)【追記あり】

【2015/10/16追記】
本説明会のニコニコ生放送での生中継が実施されます。
以下のウェブサイトをご確認ください。

【TPP政府対策本部】TPP協定交渉の大筋合意に関する説明会 生中継
日時:2015年10月20日(火)13時30分~
URL:http://live.nicovideo.jp/watch/lv238692651

 


TPP協定交渉の大筋合意後初の、政府説明会が行われるそうです。
今回は一般の方も参加可能で、1000人規模の参加者を受け付けるようです。

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/11/151013_setsumeikai_annai.pdf

ご希望の方は上記案内をよくお読みになってお申し込みください。
申し込みはEメールのみで、10月16日(金)17時までのお申し込み厳守、または、上記の締切前に定員に達した場合には受付を終了とのことです。

トークイベント「TPPの著作権条項を考える 〜非親告罪化、保護期間延長、そして法定賠償金〜」開催のお知らせ

2015年8月6日

コミックマーケット準備会
TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム(thinkTPPIP)


トークイベント
「TPPの著作権条項を考える 〜非親告罪化、保護期間延長、そして法定賠償金〜」
開催のお知らせ


コミックマーケット準備会及びTPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム(thinkTPPIP)は、8月14日(金)17時より、コミックマーケット88開催中の東京ビッグサイトにて、トークイベント「TPPの著作権条項を考える 〜非親告罪化、保護期間延長〜」を開催することをお知らせいたします。

日本がTPP交渉に参加して2年。21分野にも及ぶ幅広い貿易条項を含むTPP協定の中で、一番の難航分野とされているのが知的財産分野です。この知的財産分野における交渉参加国の思惑はそれぞれ違いますが、私たちはその著作権条項の行方に注目しています。特にコミケットなどの同人誌即売会に集うクリエイター、そしてファンのみなさんにとって重要なのは「著作権侵害の非親告罪化」、「著作権保護期間の延長」、そして「法定賠償金制度の導入」です。そこでTPP交渉がラストスパートに入ったと言われる今、改めてTPPの著作権条項について考え、日本文化を守るためのセーフガード規定を含めて、今後何ができるのかをみなさんと一緒に考えたいと思います。

【イベント概要】
主催:コミックマーケット準備会
共催:TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム(thinkTPPIP)
配信協力:niconico
日時:2015年8月14日(金)17:00~18:00
会場:東京ビッグサイト西アトリウム

【登壇者】
モデレーター
香月啓佑(一般社団法人インターネットユーザー協会・事務局長)

パネラー
赤松健(マンガ家、株式会社Jコミックテラス取締役会長)
荻野稔(大田区議会議員)
中川隆太郎(弁護士、骨董通り法律事務所)
松智洋(作家、コミックマーケット準備会スタッフ)

【ニコニコ生放送の実施について】
当日はニコニコ生放送にてイベントを配信する予定です。
配信URL:http://live.nicovideo.jp/watch/lv230560071
コミケット及びthinkTPPIPの公式サイトにも掲載しております。

【備考】
これらの企画は予定及び計画中のものであり、諸般の事情により、変更及び中止がされる場合がございます。予めご承知おきください。

【thinkTPPIPとは】(公式サイト:http://thinktppip.jp/
2012 年12月に発足。TPP(環太平洋経済連携協定)の知的財産条項の内容を危惧し、TPP交渉の公開を求めるため、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン、一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)、著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(thinkC)の3団体によって設立されました。TPP政府対策本部などへの意見提出や、メディアを通じた意見表明や問題の解説、シンポジウムの開催を行っています。thinkTPPIPはTPP自体の成否には中立的ですが、交渉の透明化、透明化が不可能な場合は対象知財条項をTPP協議から除くことを求めています。

【コミックマーケット(コミケット)とは】(公式サイト:http://www.comiket.co.jp/
コミックマーケットは、1975年に始まり既に約40年の歴史をもつ日本最大の同人誌即売会です。通常は、年2回、夏と冬に東京国際展示場(東京ビッグサイト)全ホールを使って開催しており、2015年夏で88回の開催となります。三日間開催の場合、のべ入場者数約50万人、参加サークル数約3万5千、のべコスプレイヤー数約2万人以上という規模で開催されています。

【本件に関するお問い合わせ】
本件に関するお問い合わせは、以下にお願いします。
一般社団法人 インターネットユーザー協会(MIAU)事務局長:香月啓佑
katsuki@miau.jp

寄せられた署名をTPP政府対策本部に届けました

当フォーラムの「TPP知財条項への緊急声明」に対して寄せられた賛同署名を2015年7月23日にTPP政府対策本部に提出してまいりました。

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寄せられた賛同数は3637名、110団体に上りました。寄せられた賛同に対する詳細は追って別途ご報告させていただきます。

また提出の後、今回の提出に関して記者懇談会を開催し、今回の提出の経緯について説明、記者からの質疑応答に答えました。

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また、今後も募集は継続し、三次提出などの形でTPP政府対策本部に提出いたします。まだまだ多くのご賛同が必要です。一層のご支援をいただければ幸いです。ご賛同の方法は、こちらのページをご参照ください。

【ニュースリリース】寄せられた署名を7月23日朝にTPP政府対策本部に提出します

[2015/7/22 18:15 記者懇談会会場について追記しました]

2015年7月22日
関係者各位
ニュースリリース

TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム(thinkTPPIP)


「TPPの知的財産条項に対する緊急声明」に寄せられた署名を
7月23日朝にTPP政府対策本部に提出します


2015年7月末に開催されるTPP(環太平洋経済連携協定)首席交渉官会合および担当閣僚会合を控え、国内大手メディアや海外メディアにおいても、TPP妥結が近い旨の報道が続いています。当フォーラムでは、ネット上でも大きな話題となった「著作権侵害等の非親告罪化」、国際的にも異論の強い「著作権保護期間の延長」、米国で高額知財訴訟多発の原因ともされる「法定賠償金の導入」など、クールジャパンや知へのアクセスに影響を与えるTPPの知的財産条項に対して、2015年2月23日に緊急共同声明を発表し(http://thinktppip.jp/?p=519)、慎重な交渉を求めています。声明には西村内閣府副大臣が善処を約束したほか、各メディア・ネット上などで大きな反響がありました。また公表と同時に賛同する団体や個人を募集、これまで既に表現者団体やIT関連団体、経済団体など国内外から約100団体、加えて3000名を超える個人から賛同の署名をいただきました。現在もその声は寄せられ続けています。

この大きな声を政府に確実に届けるため、TPP政府対策本部に本声明を直接手渡し、意見を述べる機会を得ました。また手交の後、内閣府周辺で当フォーラム署名提出参加者とメディアの皆さまとの簡単な懇談も実施します。ぜひともご注目いただき、ご取材をいただけますようお願い申し上げます。

■TPP政府対策本部への手交について

日時
2015年7月23日(木) 8:30〜

会場
内閣府(中央合同庁舎第8号館)

当フォーラム参加者
赤松健(漫画家、Jコミ代表取締役)
甲斐顕一(ドワンゴ会長室長)
津田大介(ジャーナリスト、一般社団法人インターネットユーザー協会代表理事)
福井健策(弁護士、ニューヨーク州弁護士、thinkC世話人)
ほか

■手交後の記者懇談会につきまして

日時
2015年7月23日(木) 9:15〜11:00
※内閣府との打ち合わせ時間によっては多少の遅れも想定されます。

会場
赤坂T-Frontビル3階会議室
http://www.len.co.jp/conference/minatoku/akasaka-t-front.html

【TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム(thinkTPPIP)とは】

2012 年12月に発足。TPP(環太平洋経済連携協定)の知的財産条項の内容を危惧し、TPP交渉の公開を求めるため、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン、一 般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)、著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(thinkC)の3団体によって設立されました。 TPP政府対策本部などへの意見提出や、メディアを通じた意見表明や問題の解説、シンポジウムの開催を行っています。thinkTPPIPはTPP自体の 成否には中立的ですが、交渉の透明化、透明化が不可能な場合は対象知財条項をTPP協議から除くことを求めています。

TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム
http://thinktppip.jp/

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
http://creativecommons.jp/

thinkC(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム)
http://thinkcopyright.org/

MIAU(一般社団法人インターネットユーザー協会)
http://miau.jp/

【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人インターネットユーザー協会
事務局長:香月啓佑
TEL:03-3313-5955
メールアドレス:katsuki@miau.jp

ニコ生緊急放送17000人視聴の御礼/緊急声明への最終呼びかけ

当フォーラムは、2015年6月27日、米国TPA法案可決を受け、TPP交渉・知的財産条項を解説するインターネット番組をニコニコ生放送で実施しました。短い告知期間にも関わらず、17000人を超える多くの方にご視聴いただき、誠にありがとうございました。

※番組は現在アーカイブ配信されております。見逃した方も、是非ご視聴ください。
▶【同人誌、ボカロにも影響?】妥結直前のTPP知財条項について徹底解説

一方で、日米間の協議が7月9日から東京で再開されるとの報道や、TPP妥結に向けて知財での政治判断が必要との交渉官発言などが連日続いており、TPP交渉はいよいよ佳境を迎えています。

そこで、当フォーラムでは、改めてTPP知財条項への緊急声明への団体・個人の賛同を呼びかけます。前回提出以降の増加分を含めて、現時点で112団体及び4006名の個人の賛同を頂いております。

【※2015/7/24追記】二次提出に向けた沢山のご賛同をありがとうございました!なお、今後も募集は継続し、三次提出などの形でTPP政府対策本部に提出いたします。まだまだ多くのご賛同が必要です。一層のご支援を宜しくお願いいたします。

是非、下記フォームから、皆さんの声をお寄せください。(ご賛同者の募集開始以降に、既にご連絡を頂いた方は、新たなご連絡は不要です。)
※なお、氏名非公開をご希望の方は、氏名欄を変名などにしていただき、メッセージ欄にご氏名をご記載ください。

【連絡用フォーム】
▶︎団体向け
▶︎個人向け

【緊急声明】
▶緊急声明の詳細(※2015年3月13日に西村内閣府副大臣、2015年7月23日にTPP政府対策本部・澁谷審議官に直接提出)

【ニュースリリース】米国TPA法案可決をうけて6月27日(土)に緊急ニコニコ生放送を実施します

2015年6月26日
関係者各位
ニュースリリース

TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム(thinkTPPIP)


米国TPA法案可決をうけたTPP交渉、そして知的財産条項について解説!
2015年6月27日(土)に緊急ニコニコ生放送を実施します。


2015年6月24日、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉の大きなカギを握る米国TPA法案(大統領貿易促進権限、通称Fast Track)が可決、国内大手メディアや海外メディアにおいて、TPP交渉が加速し、TPPの妥結が近い旨の報道が続いています。TPPの知的財産条項には日本の豊かな文化や知へのアクセスに深刻な被害をもたらしかねない「著作権保護期間の大幅延長」や「非親告罪化」のような条項が含まれており、このような条項において政府が譲歩の方針と伝えられています。

そこで当フォーラムでは、米国TPA法案の可決を受け、今が最も重要なタイミングであると考え、TPP交渉の現状、そしてTPPの知的財産条項に関してその問題点を解説するインターネット番組をニコニコ生放送にて実施いたします。番組内ではフォーラムより論点の解説と同時に、識者からのコメントをいただく予定です。また実際にニコニコ動画などで創作活動を行う現場のクリエイターからの質問にも答えます。

■日時
2015年6月27日(土) 20:00〜21:00

■番組タイトル
【ボカロも影響?】TPP知財条項について徹底解説

■ニコニコ生放送URL
http://live.nicovideo.jp/watch/lv225979645

■出演者(予定)
津田大介(ジャーナリスト / MIAU代表理事)
福井健策(弁護士 / ニューヨーク州弁護士 / thinkC世話人)
甲斐顕一(株式会社ドワンゴ会長室室長)
中村伊知哉(慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授)
黒田亜津(ボカロP)
大久保ゆう(青空文庫) ※コメント出演
他調整中

【TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム(thinkTPPIP)とは】

2012年12月に発足。TPP(環太平洋経済連携協定)の知的財産条項の内容を危惧し、TPP交渉の公開を求めるため、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン、一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)、著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(thinkC)の3団体によって設立されました。TPP政府対策本部などへの意見提出や、メディアを通じた意見表明や問題の解説、シンポジウムの開催を行っています。thinkTPPIPはTPP自体の成否には中立的ですが、交渉の透明化、透明化が不可能な場合は対象知財条項をTPP協議から除くことを求めています。

TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム
http://thinktppip.jp/

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
http://creativecommons.jp/

thinkC(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム)
http://thinkcopyright.org/

MIAU(一般社団法人インターネットユーザー協会)
http://miau.jp/

【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人インターネットユーザー協会
事務局長:香月啓佑
TEL:03-3313-5955
メールアドレス:katsuki@miau.jp

TPP知財条項への緊急声明への賛同団体・個人賛同者の中間発表

当フォーラムでは、2015年2月24日、TPP知財条項への緊急声明を公表し、関係諸団体からの賛同を呼びかけております。
下記、多様な分野からの沢山のご賛同をありがとうございました!今後も募集を続け、頂いたご賛同は3月13日(金)の記者発表、更にその後のリリースに反映させて頂きます。

また、個人・企業等からのご賛同を多数頂戴していることを受け、新たに個人賛同者につきましても、募集を開始いたしました。団体・個人共に、応募用のフォームページを新たに設置いたしましたので、ご賛同頂ける方はこちらからご連絡を頂戴できれば幸いです。

なお、緊急声明へのご賛同者の募集開始以降、contact@thinktppip.jpまで既にご連絡頂いた方は、フォームからの新たなご連絡は不要です。また、この緊急声明は、「TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム」提言とは異なる声明です。同提言に既にご賛同頂いている方でも、緊急声明にご賛同される場合には、別途ご連絡ください。

2015.3.26追記
緊急声明の正式版(2015年3月13日に西村内閣府副大臣に提出)を公開いたしました。
下記URLよりご確認ください。
http://thinktppip.jp/?page_id=713

【応募フォーム】

▶︎団体向けフォームページ
▶︎個人向けフォームページ

【賛同団体:現在110団体】(※7月23日時点)

青空文庫
アラタニウラノ
イイナラボ株式会社
伊興ソーシャルファーム実行委員会
一般財団法人ソフトウェア情報センター(SOFTIC)
一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)
一般社団法人オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン(OKFJ)
一般社団法人コード・フォー・ジャパン(Code for Japan)
一般社団法人新経済連盟
一般社団法人情報科学技術協会 著作権委員会
一般社団法人日本劇作家協会
一般社団法人日本ネットクリエイター協会
一般社団法人ECネットワーク
一般社団法人WORLD ART DIALOGUE
引力レコーズ
エンターテイメント表現の自由の会(AFEE)
オムニアート合同会社
株式会社アルテスパブリッシング
株式会社映像リサーチ
株式会社航思社
株式会社社会批評社
株式会社スタジオ・ポット(ポット出版)
株式会社ズィーボックス
株式会社ドワンゴ
株式会社ニジエ
株式会社ビイング・ネット・プレス
株式会社ビブリオスタイル
株式会社福徳社
株式会社ボイジャー
株式会社BCCKS
株式会社Jコミ
株式会社WCS
キュウビソフトウェアエンジニアリング株式会社
協同組合日本俳優連合
クリプトン・フューチャー・メディア株式会社
劇団かるた
劇団ロズノワール
公益社団法人国際演劇協会日本センター
公益社団法人日本図書館協会
合同会社初音
合同会社緑IT事務所
国公私立大学図書館協力委員会
コミックマーケット準備会
シアターカンパニーshelf
市民と政府のTPP意見交換会(全国及び各地実行委員会)
主婦連合会
女子現代メディア文化研究会
水牛
スイスイ株式会社
全国同人誌即売会連絡会
知的財産管理技能士会
著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(thinkC)
電子フロンティア財団(EFF)
東京ウィキメディアン会
特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター(PARC)
特定非営利活動法人うぐいすリボン
特定非営利活動法人コモンスフィア(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)
特定非営利活動法人リンクト・オープン・データ・イニシアティブ(LODI)
特定非営利活動法人連想出版
特定非営利活動法人AMネット
図書館問題研究会全国委員会
日本海賊党
日本独立作家同盟
日本の音楽これで委員会
一橋大学長塚真琴ゼミナール大学院生一同
一橋大学法学部長塚真琴ゼミナール
ふろむあーす&カフェオハナ
文化資源戦略会議
本の未来基金
三郷早稲田TPPを考える会
みなみ行政書士事務所
有限会社ケイ・コーポレーション
有限会社 光学姉妹
有限会社スタジオ・ポットSD
有限会社読書工房
有限会社ねこのしっぽ
有限会社福本義裕事務所
有限会社リンカーベル
5th element
ARTICLE 19
ARTISTS’ GUILD
Arts and Law
Canadian Internet Policy & Public Interest Clinic (CIPPIC)
Centrum Cyfrowe
Comi-Navi
Consumer New Zealand
Creative Commons
DU BOOKS(株式会社ディスクユニオン)
Electronic Frontiers Australia (EFA)
Fablab Japan Network
FALXTER株式会社
Happy Mutants LLC
Hiperderecho
Intelekta bazo合同会社
piggiesagogo
Public Knowledge
SDF
TPPに反対する人々の運動
ONG Derechos Digitales
OpenGLAM JAPAN
Open Media
(以上、50音順)

【個人賛同者:現在3,637名】(※7月23日現在)

続きを読む

【ニュースリリース】TPP知的財産条項に関する記者会見開催のご案内

3月13日、声明の記者発表の前に、68団体・283名連名による緊急声明を西村内閣府副大臣に直接手交し、交渉官も交えた意見交換を行いました。

記者会見には多数のメディア・記者さんにご来場いただきました。ありがとうございました!知的財産条項 TPP交渉から除外を (NHKニュース)
http://nhk.jp/N4IF4CWE

二次創作やパロディを守るために–TPPの「知財」交渉に漫画家や弁護士が緊急声明 (CNET Japan)
http://japan.cnet.com/news/business/35061759/

国民不在のTPP知財協議に待った──thinkTPPIPら有志が政府に緊急声明を提 (INTERNET Watch)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150313_692735.html

「著作権侵害の非親告罪化」「保護期間延長」はTPP交渉から除外を――ネット関連団体の声明、政府に提出 68団体・283人賛同 (ITmedia ニュース)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1503/13/news124.html

「著作権公訴を義務付けず」報道は誤報!? ”TPP著作権条項に関する緊急声明”政府に提出 (ガジェット通信)
http://getnews.jp/archives/862686

<TPP>津田大介さんや福井弁護士ら「利害対立の大きい知財条項を妥結案から外せ」 (弁護士ドットコム)
http://www.bengo4.com/topics/2808/

著作権「非親告罪化」に反対 TPPで弁護士ら声明 二次創作へ影響懸念 (朝日新聞)
http://www.http://digital.asahi.com/articles/DA3S11649098.html

TPP著作権期間延長に反対声明 (毎日新聞)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150314ddm008020044000c.html

【詳報】「私たちは未来の人々に自由に上演してもらうために作品を作っている」平田オリザ氏、赤松健氏らが懸念表明 (BLOGOS)
http://blogos.com/article/107823/

記者会見の模様はニコニコ生放送で中継されました

当日使用したスライド

2015年3月4日
報道関係・関係者各位
ニュースリリース

TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム(thinkTPPIP)

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クールジャパンや知へのアクセスに影響を与える
TPPの知的財産条項に対して緊急声明を発表
3月13日(金)に新宿にて記者会見を開催します
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国内大手メディアや海外メディアにおいても、TPP(環太平洋経済連携協定)の知的財産条項案の妥結が近い旨の報道が続いています。そこでは、「著作権保護期間の大幅延長」や「非親告罪化」のように、日本の実情にあわないとして国内でも異論の強い条項において政府が譲歩の方針と伝えられています。

そこで当フォーラムでは、日本の豊かな文化や知へのアクセスを守る上で、今が最も重要なタイミングであると考え、緊急声明案を発表しました。声明案は公表直後から、人気漫画家達が賛同を表明する等大きな注目を集めており、賛同全団体の連名による共同声明について、記者会見を下記の通り開催します。当日はフォーラムより論点の解説と同時に、共同声明団体・関係者からのコメントを頂く予定です。その後会場から質疑応答の機会を設けさせていただきます。

ぜひともこの動きにご注目いただき、取材をいただけますようお願い申し上げます。

■日時
2015年3月13日(金) 13:00〜14:00

■会場
TKP新宿駅前会議室 カンファレンスルーム(新宿駅西口 スバルビル内 地下1階)
http://www.kashikaigishitsu.net/search-rooms/access?id=220

■登壇者
平田オリザ(劇作家、日本劇作家協会副会長)
赤松健(漫画家、Jコミ代表取締役)
大久保ゆう(青空文庫)
田村善之(北海道大学大学院法学研究科教授)
甲斐顕一(株式会社ドワンゴ 会長室室長)
中村伊知哉(慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授)
渡辺智暁(国際大学GLOCOM准教授、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)
津田大介(ジャーナリスト、MIAU代表理事)
福井健策(弁護士、ニューヨーク州弁護士、thinkC世話人)
ほか調整中

2015.3.11追記
本記者会見のニコニコ生放送によるインターネット生中継が実施されることになりました。
下記URLより視聴予約、及び視聴が可能です。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv212939795

【TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム(thinkTPPIP)とは】
2012年12月に発足。TPP(環太平洋経済連携協定)の知的財産条項の内容を危惧し、TPP交渉の公開を求めるため、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン、一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)、著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(thinkC)の3団体によって設立されました。TPP政府対策本部などへの意見提出や、メディアを通じた意見表明や問題の解説、シンポジウムの開催を行っています。thinkTPPIPはTPP自体の成否には中立的ですが、交渉の透明化、透明化が不可能な場合は対象知財条項をTPP協議から除くことを求めています。

TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム
http://thinktppip.jp/

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
http://creativecommons.jp/

thinkC(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム)
http://thinkcopyright.org/

MIAU(一般社団法人インターネットユーザー協会)
http://miau.jp/

【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人インターネットユーザー協会
事務局長:香月啓佑
TEL:03-3313-5955
メールアドレス:katsuki@miau.jp

TPP知財条項への緊急声明案の公開と、ご意見・賛同の呼びかけ

国内大手メディアや海外メディアにおいても、TPP(環太平洋経済連携協定)の知的財産条項案の妥結が近い旨の報道が続いています。そこでは、あるいは「著作権保護期間の大幅延長」や「非親告罪化」のように、当フォーラムが懸念を表明して来た日本の実情にあわない条項において政府が譲歩の方針と伝えられ、あるいは法定賠償金のように重大な影響がありながら動向が全く不明な条項もあります。

当フォーラムでは、日本の豊かな文化や知へのアクセスを守る上で、今が最も重要なタイミングであると考え緊急声明案を公開し、内容へのご意見を募ると共に、広く関係諸団体に賛同を呼びかけます。
多様な分野からの沢山のご賛同をありがとうございました!今後も募集を続け、頂いたご賛同は3月13日(金)の記者発表、更にその後のリリースに反映させて頂きます。ご質問は、こちらのアドレス(contact@thinktppip.jp)までお寄せください。

※ TPP知財条項の内容、経緯と展望については、当フォーラムのこちらの記事や福井健策弁護士による下記コラムを参照。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/fukui/20150213_688136.html

※ なお、本声明はTPP自体への賛否を述べるものではありません。声明案中の脚注は公開時には削除する予定です。

2015.3.26追記
緊急声明の正式版(2015年3月13日に西村内閣府副大臣に提出)を公開いたしました。
下記URLよりご確認ください。
http://thinktppip.jp/?page_id=713

【連絡用フォーム】
▶︎団体向け
▶︎個人向け

【緊急声明案】

TPP著作権条項に関する緊急声明

TPP(環太平洋経済連携協定)では、著作権など知的財産権を巡る条項が各国の最も深刻な対立点とされ [1]、これまで国内外の多くの団体や有識者達が、交渉の透明化を求め、(特に情報社会の進展に逆行する内容での)米国提案に懸念を表明してきた [2]

[1] http://www.kottolaw.com/column/000438.html(流出米国提案抄訳)
[2] 数例を挙げれば:
日本放送協会意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken/115.pdf
日本弁護士連合会意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken/112.pdf
日本弁理士会意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken/113.pdf
日本劇作家協会ほかアピール http://www.jpwa.org/main/statement/appeal20130717
日本写真著作権協会意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken4/10.pdf
コンピュータソフトウェア著作権協会意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken/007.pdf
新経済連盟意見 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/dantaiiken6/02.pdf
米国知財法学者らからオバマ大統領への公開書簡 http://thinktppip.jp/?p=246
TPPによる著作権保護期間の延長に反対する国際共同声明 http://thinktppip.jp/?p=383
世界各国の有力NPO等による、最終局面を迎えるTPP交渉での透明性を求める公開書簡 http://thinktppip.jp/?p=476
当フォーラム提言 http://thinktppip.jp/?p=1

しかしながら、交渉終盤とされる現在、協議の密室性はむしろ高まっており、政府説明会はほとんど「説明できないことの説明」に終始している [3]。国内有数のメディアは繰り返し、「著作権保護期間の大幅延長」や「著作権侵害などの非親告罪化」について日本政府は米国要求に対して譲歩する方向と報じ [4]、政府がそのたびにこれを否定する事態が続いている。こうした状況は虚偽・不正確な情報が飛び交う事態を招いており、その結果国民の間では混乱が広がっている。

[3] http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0LK0L120150216
[4] http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF02H03_S5A200C1EAF000/ ほか

私たちは、わが国の文化・社会にとって重要な決定が国民不在の密室の中でおこなわれ、21分野一体のため事実上拒否できない妥結案だけが国民に提示される事態を、深く憂慮する。

著作権の保護期間延長の提案は、無用な長期化が権利者不明の「孤児著作物」を激増させ、デジタル化の振興を害したとして、欧米でさえ期間短縮提案が議論されている現状に [5]、一見して逆行している。期間の超長期化がはほとんどの遺族には収入増さえもたらさず、権利処理困難により死蔵作品を増やし、古い作品に基づく新たな創造を困難にすることは、既に国内外の実証研究から明らかである [6]。さらに日本について言えば、それは年間6200億円にも上る著作権収支の対外赤字を固定化し拡大させる可能性が高く [7]、知財立国に反すると指摘される。

[5] http://www.kottolaw.com/column/000527.html
[6] 田中辰雄・林紘一郎編『著作権保護期間 -延長は文化を振興するか?』(勁草書房)、http://thinkcopyright.org/tanji-book.pdf ほか
[7] http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/fukui/20130618_603718.html ほか

被害者の告訴なき起訴・処罰を可能にする非親告罪化は、厳密にいえば違法だが権利者に実害がない限り強いて問題視はされていない多くの利用(tolerated use [8])を、萎縮させる恐れがある。それは、クールジャパンを裾野で支えるパロディなどの二次創作 [9]、様々なネット新ビジネス、企業内での研究開発や教育現場・福祉現場、デジタルアーカイブ、復刻出版や復刻上映など社会の広範な領域での非悪質な利用において、権利者ではなく警察・検察に手続きの主導権が移り、第三者通報などにより摘発・起訴がされる可能性を高めるからである。

[8] http://heinonline.org/HOL/LandingPage?handle=hein.journals/cjla31&div=28&id=&page= ほか参照
[9] http://kenakamatsu.tumblr.com/post/44592778197/tpp
http://www.jpwa.org/main/genronhyogen01 ほか

その他、「コピーライトトロール」による企業・個人への高額請求を含む、米国での知財訴訟の増大と賠償金および訴訟費用の高騰を招いた主因とされる「法定賠償金」の導入など、様々な条項について交渉の現状は全く明かされていない。

これらの多くの条項は、過去に日本では異論が強く、十分な議論を経た上でわが国の現状には合わないなどとして導入が見送られた経緯がある [10]。日本は、米国で新ビジネスやアーカイブ・パロディ表現の原動力とされる、「フェアユース」のような柔軟な著作権の一般的例外規定を持たない。また、弁護士主導・訴訟解決型とも言える米国型の各種ビジネスとは、依然大きく異なるエコシステムを持つ [11]。米国型のルールのうち相手国に都合の良い部分だけが急速に導入されれば、経済・文化における日本の活力がそがれかねない。

[10] http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/hogo/07/pdf/shiryo_02.pdf
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/070209.pdf
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/07071010/003.htm ほか
[11] 例えば、弁護士総数は米国が125万人超に対して日本は33000人超(いずれも2013年)。人口当たりの弁護士数では米国の15分の1に過ぎない。特許訴訟件数は、米国5189件に対して日本187件(2012年)。http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/zaisanken/2013_12.pdf ほか

仮に、日本にも導入すべきと映る個別の条項があるとしても、条約は国内法に優先する。多国間の多角的貿易協定の一部としてそうした条項が義務付けられてしまえば、数年後に社会の実情に応じて見直そうとしても、もはや国会すら法令を変更することはできない。変化の速い情報ルールの分野でそうした拘束を受ければ、わが国の競争力や豊かな文化を減殺する恐れが強い。それは、コンテンツの流通促進を重視する内閣「知的財産推進計画」や自民党「知的財産戦略調査会提言」の方向性にも反し [12]、次世代への大きな負の遺産となる。

[12] 知的財産推進計画2014 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku2014.pdf、自民党知的財産戦略調査会 コンテンツ小委員会7の提言 https://www.jimin.jp/news/policy/pdf/pdf178_1.pdf

国際交渉は、一見趨勢の決まったように見える最終段階こそが最も重要である。国会承認の段階で混乱が生じ政府関係者の努力が無駄にならないためにも、各国の利害対立の大きい知財条項を妥結案から除外して海賊版対策のような異論の少ない分野に絞り、さらに条項案を含む十分な情報公開を修正交渉が可能な段階におこなうことを、強く求める。

※なお、本声明はTPP自体への賛否を述べるものではない。

TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム

[クリエイティブ・コモンズ・ジャパン http://creativecommons.jp/
thinkC(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム) http://thinkcopyright.org/
MIAU(一般社団法人インターネットユーザー協会) http://miau.jp/]

「TPP知財条項への緊急声明案」にご賛同ください!

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